ブチ切れる老人たち-崩壊する年齢秩序への戸惑いと処方箋
    匠 雅音著 2013.1.25

本論は<Kindle>で上梓した<ブチ切れる老人たち>の冒頭部分です。
目  次
第1章 激増する老人犯罪  事実関係の確認   5.激情化する老人たち
  1.人殺しに走る老人たち   6.広島刑務所:尾道刑務支所の意味する世界
  2.お金や物を盗む老人たち   7.脳が萎縮するから切れるわけではない
  3.性欲の衰えない老人たち   8.むかしの老人は貧しかった
  4.すぐ暴力に訴える老人たち   9.「お年寄りは弱い存在」は本当か
第2章 いま時の老人像とは
        マスコミの伝えない老人たち
第3章 老人とは何か  
       老人たちは肉体労働に生きた?
第4章 年齢秩序の崩壊
       老人は知恵の泉だった
第5章 エイジレスな横並び社会に生きる
         切れないための対策
                 
 年齢を重ねると多くの経験をし老成する。そのため、人格が練れて精神的に成熟して、切れない人間になるはずだった。しかし、2008年に老人になったボクは、激増する老人犯罪を見て、いま時の老人は切れやすいと認めざるをえなかった。

 公衆の真ん中で、辺りかまわず絶叫し興奮しまくる老人。なにが老人を切れやすくし、暴力へと追い込むのか。いったい何が変わったのだろうか。いままで老人が暴力的になっている理由が論じられることはなかった。だから処方箋もなかった。

 老人が切れやすくなり暴力的になる理由を考えたとき、浮かび上がってきたことは、〈年齢秩序が崩壊し始めている〉ということだった。高齢者が上で、若年者が下という年齢秩序がくずれ、人間が横ならびになっている。

 情報社会というフラットな社会がきている。老人は横ならびの人間関係に対応できないから、切れて暴力に訴えるのではないか。そう考えると、激増する老人犯罪も説明ができる、と思えてきた。フラットな時代への対処方法を考える。


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