八ヶ岳山麓のガラス箱   No.07 

ガラスの箱と水回り棟の2棟の合体
 今回の計画は、ゆっくりと進んでいた。
建築計画は、設計の時期が一番おもしろい。
それを知っている建築主は、図面を眺めながらさまざまに想像していたに違いない。
そのせいだろうか、ガラスの箱に大変化がおきることになった。

 大地に寝そべるだけなら、4方ガラスのほうが良い。
しかし、ここで生活するとなると、やっぱり壁も必要だと感じたようである。
そこで、ガラスの箱と水回り棟を、合体したいと言われたのである。
最初のコンセプトが薄くなってしまうので、建築主としても躊躇したことと思う。
建築主の内心が想像つくだけに、すでに図面も書き進んでいたが、変更の指示に素直に従った。

 その結果、渡り廊下で繋がっていた2棟を、3通りで合体させた。
鉄骨造とブロック造なので、建物の剛性が違う。
そのために建物が揺れる量が違い、完全に合体させることはできないので、構造上は少し離してある。
しかし、使う上では完全に一体化させた。
それが最初の平面図である。
実はこの合体が、後になって問題を引き起こすのだが、愚かな設計者は問題に気づいていなかった。

 この頃から、施工に向けた詳細図面を書き始めた。
小さな建物だが、構造図を含めると、30枚近くになった。
図面の進行と同時に、建築確認を取らなければならない。 
 

「タクミ ホームズ」も参照下さい
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