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水回り棟 大地の上に寝ころびたい。といって始まった計画だったが、建築主から出された希望は、もう一つあった。 それは浴室から、周囲の風景を眺めたいというものだった。 たしかに、この場所は八ヶ岳や甲斐駒など、周囲の風景は雄大である。 ゆったり風呂に浸かりながら、この景色を見たいという希望は、もっともなものだった。 風呂にはいるには、誰でも裸になる。 とすれば、こちらから風景が見えなくてはいけないが、外から浴室の内部が見えてはいけない。 こちらからは見えて、裸でいるところを、外から見られてはいけない。 これはなかなか難しい要求である。 幸いなことに、敷地の南側は2メートル以上の擁壁があり、この近くに風呂をつくれば、外からは見えないことになる。 建築主も、敷地の南東の角に、浴室を設けることを希望した。 ここなら周囲の山が見渡せる。 |
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水回りだけで、約12uということになった。 この水回りとガラスの箱が、渡り廊下でつながれて、平面計画は完成した。 今回は、建築主が過激で、設計者は常識にとらわれているようだ。 おまえは発想が固いといわれたら、設計者も歳をとって少しは良識を身につけたから、と応えることにしよう。 こんな話が進行していたのは、2004年の夏のことだった。 |
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「タクミ ホームズ」も参照下さい |