幸いなことに重大な麻痺も残らず、ほんとうに軽い脳梗塞でした。でも、自分では気が付かないおかしなところがあるかもしれません。匠雅音が、ベッドの上で過ごした11日間の記録と、その後日談です。
 脳梗塞という言葉はよく聞きますが、たいていの人は「まさか自分が・・」と思っているのではないでしょうか。ボクももちろんそうでした。だから初期症状が出ても脳梗塞とはまったく気が付きませんでした。
 脳梗塞に襲われたときに「あっ、これはやばそう」と疑えるように、出来るだけ細かく当時を思い出してみました。脳梗塞の治療は、ある意味時間との勝負になります。人により症状は異なるでしょうが、イザというときのために脳梗塞の初期症状がどんなものか知っておいても、決して損はないと思います。

2008年2月21日(木)

−退院後 第10回− 薬の副作用

 毎月1回、定期検査のために多摩病院に行くことが、もうずっと続いている。再発の恐怖(?)にさらされながら、おそらく死ぬまで、病院通いは続くのだろう。病院が近いのが何よりだが、ちょっと気が重い。
 脳梗塞の再発を防ぐには、とにかく血圧のコントロールだといわれている。毎日まじめに血圧をはかり、スコアをつけている。それをもとに、S医師と話をしてくる。いろいろな薬を、S医師が検討してくれる。

 バイ・アスピリン 100mgをべつにすれば、降圧剤は、オルメテック 20mgと アダラートCR20 20mgだったが、これだけではコントロールできない。
 そこで、βブロッカー系の薬であるセロケンL120mgが追加された。これはよく効いたのだが、副作用がひどかった。副作用というのは、最初のうちは必ずしも副作用とはわからない。

 まず、寒い。ひどく寒い。ボクは寒がりではなく、冬でも下着は着なかった。脳梗塞を発症するまでは、素肌にワイシャツを着て、そのうえにダウンを羽織る程度だった。しかし、今では、それにTシャツを加えて、3枚である。もちろん、ももひきなどはかない。それでも、薄着だろうと思う。

 ところが、この薬を飲んだら、寒くて寒くて仕方ない。日中はともかく、夜になると寒い。 ベッドに入っても、なかなか暖かくならない。しばらくは震えている。こんなことは今年が始めてだ。
 それに右手の先が水のように冷たい。最初は、年のせいで寒さが堪えるようになったとばかり思っていた。しかし、あまりに寒いので、S医師に言ってみた。すると、

冷感という副作用だとの返事

 え〜、と、のけぞると同時に、やっぱりと安心した。歳をとったからといって、いきなり寒がりになるのではないのだ。
 S医師は、申し訳なかったと言って、ただちに薬を変えた。そこで、βブロッカー系から、αβブロッカーのアーチスト10mgに変更になった。
 これで寒さは、なくなった。
 やれやれである。しかし、右手の先が冷たいのは、軽くなりながらも残っている。