幸いなことに重大な麻痺も残らず、ほんとうに軽い脳梗塞でした。でも、自分では気が付かないおかしなところがあるかもしれません。匠雅音が、ベッドの上で過ごした11日間の記録と、その後日談です。
 脳梗塞という言葉はよく聞きますが、たいていの人は「まさか自分が・・」と思っているのではないでしょうか。ボクももちろんそうでした。だから初期症状が出ても脳梗塞とはまったく気が付きませんでした。
 脳梗塞に襲われたときに「あっ、これはやばそう」と疑えるように、出来るだけ細かく当時を思い出してみました。脳梗塞の治療は、ある意味時間との勝負になります。人により症状は異なるでしょうが、イザというときのために脳梗塞の初期症状がどんなものか知っておいても、決して損はないと思います。

2007年8月17日(金)

−退院後 第9回− 血圧のコントロールを再開

 17日の午後、定期検査のために多摩病院に行く。一昨日の異常な血圧上昇を訴えるも、ときどきあることで心配はない、とS医師は素っ気ない返事。でも、200を越えるのは…と、食い下がるが彼は落ちついたままである。

 血圧が高いのは諸悪の根元で、多くの成人病が高血圧を目の敵にしている。ほんとうかどうか判らないが、高血圧がつづくと動脈硬化が進むという。年齢相応に動脈硬化が進んでいると言われているので、やっぱり血圧のコントロールをしなければならないだろう、と患者が考えた。

 S医師に、血圧のコントロールをするように要求する。しかし、彼はそれほど重大事だとは思っておらず、また血圧が上がったら安静にしてください。麻痺などの症状が出ていないかぎり、あわてて病院へ来る必要はありません、と言われてしまった。そして、急激に下げるのは良くない、という。
 うーん、でも、血圧が上がってくると、首から頭の後ろあたりが重くなって、ボーっとしてくる。
 頭のなかのことなので、当人も手のだしようがない。ただ、心配なだけ。

結局、血圧のコントロールを再開することになった。

 朝:バイ・アスピリン 100mg
   オルメテック 20mg
 夜:アダラートCR20 20mg

の薬が処方された。今までの薬に、夜のアダラートCR20が増えたわけだ。
 右手がむくんできたことを訴える。しかし、S医師はさほど驚かない。これも良くあることらしい。
 麻痺が生じた部分には、やはり後遺症が残りやすいのだそうだ。麻痺がひどければ、後遺症ももっと激しくでるらしい。そういえば、入院中に右腕全体がむくんでいる人を見た。 ボクのむくみは大したことないか。

 しかし、脳梗塞をやった後では、身体の異常にとても神経質になっている。ちょっと痛い部分があったり、しびれたりすると、再発ではないかと疑ってしまう。
 右手のむくみは徐々にひいてはきたが、完全に直ったわけではない。右手のほうが明らかにシワが少ないし、少し大きい感じも残ったままだ。そして、肩から手の甲にかけて、右手と左手の感じが少し違う。
 日常生活に支障がでるほどではないから、このままやり過ごすことにする。