幸いなことに重大な麻痺も残らず、ほんとうに軽い脳梗塞でした。でも、自分では気が付かないおかしなところがあるかもしれません。匠雅音が、ベッドの上で過ごした11日間の記録と、その後日談です。
 脳梗塞という言葉はよく聞きますが、たいていの人は「まさか自分が・・」と思っているのではないでしょうか。ボクももちろんそうでした。だから初期症状が出ても脳梗塞とはまったく気が付きませんでした。
 脳梗塞に襲われたときに「あっ、これはやばそう」と疑えるように、出来るだけ細かく当時を思い出してみました。脳梗塞の治療は、ある意味時間との勝負になります。人により症状は異なるでしょうが、イザというときのために脳梗塞の初期症状がどんなものか知っておいても、決して損はないと思います。

2007年8月15日(水)

−退院後 第8回− 血圧が210に

 15日の朝も、145-64だった。今までも、夜には高いことがあった。しかし、朝には130台、もしくはそれ以下に下がっていた。そのため、朝に145と高いのは、ちょっと気になった。
 15日の夕食前には、156-76である。気にはなったが、夜に上がることがあるので、そのまま夕食を食べた。そして、しばらく様子を見ていた。しかし、血圧が上がっていく感じがする。
 また計ってみると、180である。念のために、もう一度計ってみる。

なんと血圧計が210-90を示している

 あわてて横になるが、まだ上昇するような感じすらする。横になって計ると、165まで下がっていた。心臓が大きく脈動し、心拍数が遅くなっている。
 去年の脳梗塞発症時にも、血圧がひどく上昇していた。それ以降、血圧の管理には神経質になっていた。最近では、130-70台と安定していたので、S医師とも相談のうえ、降圧剤の使用も抑えてきていた。それが突然に、210を越えたのである。血圧の上昇が、とても心配になってきた。

 すでに9時をまわっていたが、多摩病院に電話してみた。緊急病院に指定されているので、電話はつうじた。症状を訴えると、電話にでた人は、当直の医師に相談している。そして、すぐに来いという。
 夜の待合室には、5,6人の先客があった。赤ちゃんが2人いる。救急病院なので、さまざまな患者が来る。みな不安そうである。

 やがて名前を呼ばれる。診察室のベッドに横になる。看護婦さんが問診に来る。血圧をはかる。
 160に落ちている。
 200を越えたときのような圧迫感はない。看護婦さんは、待つように指示だけ残して、いなくなってしまった。診察室はクーラーが効いて気持ちがいい。しばらく横になっている。

 担当のS医師はおらず、当直は消化器系の医師だった。血圧の上昇を訴える。
 しかし、彼はふらつきなどがないことを確かめて、様子をみようという。降圧剤が切れていることを伝えると、3回分の降圧剤を処方してくれた。
 この晩はそれだけ。
 17日が定期検診の日だから、明日の1日は様子を見てみよう。なんだか心細い。