幸いなことに重大な麻痺も残らず、ほんとうに軽い脳梗塞でした。でも、自分では気が付かないおかしなところがあるかもしれません。匠雅音が、ベッドの上で過ごした11日間の記録と、その後日談です。
 脳梗塞という言葉はよく聞きますが、たいていの人は「まさか自分が・・」と思っているのではないでしょうか。ボクももちろんそうでした。だから初期症状が出ても脳梗塞とはまったく気が付きませんでした。
 脳梗塞に襲われたときに「あっ、これはやばそう」と疑えるように、出来るだけ細かく当時を思い出してみました。脳梗塞の治療は、ある意味時間との勝負になります。人により症状は異なるでしょうが、イザというときのために脳梗塞の初期症状がどんなものか知っておいても、決して損はないと思います。

2007年7月27日(金)/2007年8月1日(水)

−退院後 第6回− 右手のしびれ

 7月23日から26日まで、奈良に行って来た。何年ぶりかの旅行で、炎天下の寺めぐりは再発見もあって、斑鳩の建築を堪能してきた。
 帰った日の翌朝である。目が覚めると

右手に異常を感じる。軽いしびれだ

 脳梗塞の再発とは違う感じがしたが、前回のストロークも右手だった。昼過ぎても、しびれは取れない。
 やはり心配になった。

 27日は金曜日だったので、S医師の外来診察日である。病院にいくことにする。 30分くらいの待ちで、CTを撮る。S医師は、脳梗塞ではないと思うが、再発の可能性も否定しきれない。念のためにMRを撮るという。そして、万が一再発なら入院です、と言いわたされた。
 MRが混んでいて、予約が取れない。週明けの水曜日に、MRということになった。その日は、それで終わり。

2007年8月1日(水)

 8月の1日である。
 やっぱり1年間は、いろいろあると観念した。しかし、MRの結果はシロだった。去年の梗塞の跡が、少し小さくなっているほか、梗塞らしきものは写っていなかった。再発の可能性は低いといえども、心配ではあったので、やれやれと安堵した。
 右手のしびれは、奈良の寺めぐりで、リックを背負って歩いたせいだろう。山登りをやっていた若い頃、重いザックを背負って歩いていたら、右腕が上がらなくなったことがあった。 俗にザック麻痺というのだが、腕の付け根をザックの背負いベルト圧迫し、腕が上がらなくなるのだ。

 奈良で背負っていたのは、軽いリックではあったが、ベルトを締め上げていたので、腕の付け根を圧迫したのだろう。右手のしびれは、1日で消えたので、そう考えることにした。