幸いなことに重大な麻痺も残らず、ほんとうに軽い脳梗塞でした。でも、自分では気が付かないおかしなところがあるかもしれません。匠雅音が、ベッドの上で過ごした11日間の記録と、その後日談です。
 脳梗塞という言葉はよく聞きますが、たいていの人は「まさか自分が・・」と思っているのではないでしょうか。ボクももちろんそうでした。だから初期症状が出ても脳梗塞とはまったく気が付きませんでした。
 脳梗塞に襲われたときに「あっ、これはやばそう」と疑えるように、出来るだけ細かく当時を思い出してみました。脳梗塞の治療は、ある意味時間との勝負になります。人により症状は異なるでしょうが、イザというときのために脳梗塞の初期症状がどんなものか知っておいても、決して損はないと思います。

2007年4月19日(木)

−退院後 第4回− 降圧剤を毎日

 長時間の待たせについて、多摩病院からは何も言ってこなかった。しかし、その後の通院でわかったことに、受付には「急患へのお知らせ」がでていたので、病院としても待ち時間の短縮には努力しているのだとは知った。
 退院してからすでに8ヶ月が過ぎた。健常者より再発率が高いので、それに注意した生活を強いられている。
 ボクは脳梗塞の予備軍である、メタボリック症候群とはまったく関係ない。決して太ってはいないし、糖尿病があるわけでもないし、血圧だって130位と安定していた。発症直後には、血糖値だけが高かったが、それだって何年か前に検査したときは異常がなかった。

 しかし、毎日、血圧をはかり始めると、夕方から夜になって上がることが判ってきた。1週間に1度もしくは10日に一度くらいの間隔で、160を越えることがある。朝は120〜130位だが、夕方には血圧が上がってしまうのだ。高血圧は動脈硬化を招き、脳梗塞の再発に繋がるというので、

これを押さえるために降圧剤を飲むことが義務付けられた

 朝:バイ・アスピリン 100mg
   オルメテック 20mg
 昼:ナトリックス 1mg
 夜:アダラート 20mg
   メバロチン 10mg
   オメプラール 20mg
と、たくさんの薬が処方され、いまや薬漬けになってしまった。

 仕事柄どうしても運動不足になるので、意識的に運動をするように言われている。いままで週に1回は泳いでいたのだが、それを週に2回にしたのだが、なかなか2回は泳げない。あとは歩くことか。
 自分の身体に気を付けるようになったせいか、発症前に比べると、ずいぶんと健康になった、と廻りの人たちも言ってくれる。

 脳梗塞になったのは、もちろん困ったことで、決して歓迎すべき病気ではない。しかし、脳梗塞になったおかげで、気持ちの在り方がちょっと変わったように思う。老境にさしかかる今、自分を見つめ直す良い機会を与えられたと思う。