幸いなことに重大な麻痺も残らず、ほんとうに軽い脳梗塞でした。でも、自分では気が付かないおかしなところがあるかもしれません。匠雅音が、ベッドの上で過ごした11日間の記録と、その後日談です。
 脳梗塞という言葉はよく聞きますが、たいていの人は「まさか自分が・・」と思っているのではないでしょうか。ボクももちろんそうでした。だから初期症状が出ても脳梗塞とはまったく気が付きませんでした。
 脳梗塞に襲われたときに「あっ、これはやばそう」と疑えるように、出来るだけ細かく当時を思い出してみました。脳梗塞の治療は、ある意味時間との勝負になります。人により症状は異なるでしょうが、イザというときのために脳梗塞の初期症状がどんなものか知っておいても、決して損はないと思います。

2006年8月22日(火)

−退院後 第1回− 退院初日

 病院から出た。
 うれしいね。
 いくら避暑地のような生活でも、やはり自由に動き回れるほうが良い。11日間のベッド生活で、衰えた身体を作りなおさなければ、そう考えていた。

11日間の入院費用だが、しめて全部で¥150,500-

だと電話があった。国民健康保険の加入者だから、3割負担である。病院が受け取る金額は、¥501,666-になるのだろうか。これが安いか高いかは、判断が付きかねる。しかし、支払う方としては、命と引き換えだから、非常に安いというべきだろう。

 11日間も、ホテルにいたことを考えれば、こんな支払金額ではすまない。そのうえ、診療や検査・治療など、医療の処理がなされているのだ。やはり、国民全員が利益を享受できる健康保険制度は、これからも絶対に確保していかなければならない。
 しかも、今回のボクのケースは、高額医療に該当するので、自己負担金は¥72,000-で頭打ちとなり、それを超える金額は、後日に返却されるのだそうだ。
 感動!

 ところで、すっかり忘れていたのだが、ボクは病気や事故にそなえて、神奈川県民共済に毎月¥3,000-づつ支払っていた。いくらか返ってくるかな、と思って給付金の手続きをした。すると、11日間の入院に対して、¥14,000-の支払をする、という葉書がきた。

 この保険は、毎月¥3,000-を掛け捨てにすることにより、病気入院時には1日あたり¥2,000-の給付をするというものだった。しかも、最初の4日は給付の対象にならず、5日目から11日目までの7日分を、¥2,000-×7日=¥14,000-支払ってくれるという。
 てっきり1日¥5,000-くらいの支払があると思っていたので、ボクはびっくりした。こんなにケチな保険にしか入っていなかったのか。

 改めて申込みのパンフレットを見ると、神奈川県民共済のいうとおりだった。すでに掛け金は、6年以上も支払ってきたから、総額では¥200,000-以上も支払ったことになる。その結果が、¥14,000の支払か。保険で儲けようとは思わないが、複雑な心境…。
 この保険は、交通事故だと初日から¥4,000-が支払われ、不慮の事故だと初日から¥3,000-の支払がある。しかし、病気入院では、5日目から¥2,000-しか支払がない。ボクが、いかに病気を軽く考えていたかが、これでよく判る。

病気が自分の身に差し迫ってこないと、実感が湧かない愚かさを、反省することしきりである

 今後の対策を立てなければならないのだが、ボクの歳になると、保険の掛け金がど〜んと、高くなる。国民健康保険にさえ入っていれば、毎月タンスに積み立てたほうが、良いのではないか。ちょっと、考え始めた。